秋山 実氏による「小葉性オリーブのミニ盆栽」のお手入れ方法

小葉性オリーブのミニ盆栽のお手入れ方法(実演)

今回は、盆栽家の秋山 実氏の実演による、小葉性オリーブのミニ盆栽のお手入れ方法をご紹介します。フラワーショップや雑貨店などでも見かける可愛いミニ盆栽。買ってきたばかりの頃は、コンパクトにまとまり可愛かったけど、だんだん枝も伸びてきて、この先どうなることやら?と、思った時がお手入れ時。特に買ってきたままの状態だと実は根っこの状態がよくない場合が多々あるので、一度は鉢から出してお手入れしてみましょう!

小葉性オリーブのミニ盆栽のお手入れ

枝葉を剪定する

まずは、枝葉の剪定。買ってきたそのままの姿をしばらく楽しんだら、次の完成形に向けてしっかりと剪定してあげます。ポイントは、まだまだ小さな木なのであまり細かい事は考えず、新しい枝を出すために大胆に剪定しましょう!新しい芽は、枝と葉の間から出てくるので、枝を出したい位置の葉のちょっと上の部分を切り落とします。新芽が出て上に上に成長し始めているのにもったいないなどと思わず、この段階でしっかりと基本となる形を作ってあげましょう!

剪定

鉢から取り出す

さっぱりと剪定した後は、根っこのお手入れ。まずは鉢から木を取り出します。この時、盆栽家の方が作った本格的なミニ盆栽の場合は、細い針金などで鉢に木が固定されている場合がほとんどなので、その場合は、鉢の裏側をみて針金を切断してから作業してください。今回のオリーブのミニ盆栽は、針金で木が固定はされていませんでした。

鉢から木を取り出す

根の手入れ・植え替えの準備

次は、根の手入れ・植え替えの準備です。まずは、鉢の内側を綺麗に洗います。もちろん新しい鉢に植え替えるもよし!そして、今回使う道具は、根かき箸・さつき鋏・針金切鋏・針金(木の固定用針金細2本,木の固定用針金細と組み合わせて使う太い針金1本,鉢あみ固定用の針金1本)・鉢網・鉢です。

道具の紹介

鉢網をセットする

鉢底の穴に鉢網を針金で固定します。そして、さらに今度は鉢底から鉢網の目を利用して表に向け、木を固定するための細い針金をセットします。

鉢網セットし、木を固定するための細い針金を準備 鉢裏から見た状態 鉢の表側から見た状態

根っこをほぐします

根かき箸を使って外側を中心に根っこをほぐします。中心部は綺麗にほぐさなくても大丈夫です。やはり一本の太い根っこがぐんぐん伸びているなど、あまり良い状態では無かったです。

根かき箸で外側の根っこをほぐす 根っこをほぐした状態

根を整える

ほぐした余分な根を切り、形を整えます。どのくらい切るのかは下の写真を参考にしてみてください。ここがなかなか勇気のいることころ!でも、細い根を綺麗に残すようにするのがポイントです。

根を綺麗に整える

植え込み

今回使う土は赤玉土の小粒と軽石。まずは、鉢底に軽石を適量入れます。そして、鉢に小葉性オリーブの木をセットして木を固定するための針金でしっかりと鉢の固定します。次に赤玉土を入れていきます。ある程度、土が入ったところで、根かき箸で周りからつつき隙間ができないように土を詰め込みます。で、少し減ってきたらまた赤玉土を入れ、これを繰り返ししっかりと土を鉢に詰め込みます。

赤玉土と軽石を準備する

赤玉土を入れる 根かき箸で周りからつつき隙間がないように土を詰める

完成!

土がしっかりと鉢に詰まったら完成!今回は、更に土が溢れるのを防ぐ意味も兼ねて、水苔をのせました。最後にたっぷりと水をやり、合わせて水はけの良いことを確認して作業終了!これで、さらにのびのびと育ってくれると思います。

小葉性オリーブのミニ盆栽のお手入れ完成!

水苔をのせてみました

水はけの良い土は元気な木を育てます!

今回は、小葉性オリーブのミニ盆栽を使ったお手入れでしたが基本的には、他のミニ盆栽にも通じるところがありますので是非参考にしてみてください。特に、ミニ盆栽では水はけの悪いものが多く見受けられます。水はあげればよいってことではなく、水はけの良い土で十分な水をあげることで根に空気を送る役割も兼ねているので、水はけが良くない場合は、お手入れして根っこにも新鮮な空気が取り込めるようにしてあげてください。

秋山実氏・・・

2008年,2011年と二度にわたり日本盆栽作風展の内閣総理大臣賞を受賞。今後の盆栽界を担う、今もっとも注目されている若手盆栽家です。・・